酵素④【たんぱく質を分解☆プロテアーゼ】
こんにちは('ω')
今回も消化酵素のお話!
生物のもつ不思議で高機能な、分子レベルのお話です(´▽`)
たんぱく質を分解してくれる プロテアーゼ
プロテアーゼは、20種類以上のアミノ酸が結合している「たんぱく質」を分解してくれる酵素の総称です!
肉や魚、卵や大豆製品などによって比較的簡単に毎日摂ることができるたんぱく質ですが、そのままでは使えません。
取り入れたたんぱく質はいったん最小単位のアミノ酸にまで分解し、はじめて腸から吸収され、体内で必要なかたちに再構成されます。
たんぱく質は、大量のアミノ酸が鎖状に強力につながって(ペプチド結合)折りたたまれた大きな分子です。
身体自体たんぱく質でできているので、プロテアーゼは体内のいろいろなところに関わっていますが、食物に含まれるたんぱく質を分解するプロテアーゼにも数種類あります☝(*'ω'*)
まずたんぱく質が胃に運ばれたときに活躍するのが、胃液に含まれる「ペプシン」というプロテアーゼです!
胃酸の強い酸性で、折りたたまれてクチャっとなったたんぱく質が緩まり、長い鎖状になったところを「ペプシン」がブチブチと鎖を嚙み千切ります(`・ω・´)
「ペプシン」によって短い鎖に切断されたたんぱく質(ペプチド鎖)は腸に運ばれ、「トリプシン」、「キモトリプシン」などの膵臓で作られているプロテアーゼによって、さらに短い鎖に分解されます。
〇 アミノ酸
〇ー〇 2個のアミノ酸が結合したものを ジペプチド
〇ー〇ー〇 3個のアミノ酸が結合したものを トリペプチド
〇ー〇ー〇ー〇 4個のアミノ酸が結合したものを テトラペプチド
小さな単位のペプチドにまで分解されたたんぱく質は、小腸の粘膜上皮に存在する「ペプチターゼ」によってアミノ酸に分解され、吸収されます!
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ところで、以前お話したように
酵素の構造は、ミネラルにたんぱく質が巻き付いたもの・・・・
ということは、「たんぱく質でたんぱく質を分解する」という、一見矛盾した作用が行われているということになってしまいます(´・ω・`)??
そもそも人間の20%はたんぱく質でできています!
(60~70%が水分なので、構成材料としてはたんぱく質が半分以上!!)
たんぱく質でできた体内に、たんぱく質を壊す酵素がウロチョロしてるって、実はけっこう危険なことなんじゃ・・・(;゚Д゚)💦
しかし生命の不思議ですね。プロテアーゼは巧妙な制御システムを持っています。
例えば「ペプシン」は細胞の中で作られ胃の中に放出されますが、細胞内で破壊の力を発揮できないように制御する役割のアミノ酸がくっついています。
そして、胃の中に入り胃酸を浴びることで分解する能力を発揮できるようになり、かつ胃酸ではほどけないような構造をもっています!すごーい!!
たんぱく質の分解と合成のシステムは本当に巧妙にうまくできていて、
例えば、血糖低下作用を持つたんぱく質「インスリン」は必要なものだけど、ずーっと体内にいられると低血糖になってしまうから分解されるし、
骨を作る「コラーゲン」が分解されなければ骨代謝が行われず、骨が成長できません。
そのために、たんぱく質は分解合成を繰り返す必要があるんですね~( ˘ω˘)神秘的♡
ちなみに、プロテアーゼを体内に持つのは人間などの生物だけでなく、多くの細菌もプロテアーゼを使って食料を得ているとか。
細菌は食物よりも身体が小さいので、プロテアーゼを体外に分泌して肉などのたんぱく質を溶かして腐らせ、これを吸収します。「腐る」というのも酵素によってたんぱく質や脂質が分解されているということなんですねー!
しかし食物のなかには、別に腐りにくいたんぱく質を備えていてプロテアーゼと戦うものもあり、分子レベルの小さな戦争があちこちで行われているという訳です・・・すごい。
プロテアーゼを多く含む食べ物
☆パイナップル・キウイ・マンゴー・パパイヤなどの南国系の果物
☆イチジク・メロン・梨・アボカド など
ゼリーを作るときに生のパイナップルやキウイを入れると固まらなかった!!ということがありますが、これはゼラチンのたんぱく質を分解してしまうので固まらないということ。
この場合加工して酵素の働きのない缶詰を使うと固まります(*´ω`*)
また、パイナップルをずっと食べていると口の中が荒れたことありませんか?
これは口の中の皮膚のをパイナップルの酵素が分解してるってことなんですね~💦ちょっと怖い💦
☆生姜・大根・玉ねぎ・セロリ・ピーマン・パセリ・にんにく・パプリカ・まいたけ など
☆納豆・塩こうじ・味噌・ヨーグルト など
酢豚にパイナップル、冷奴に生姜など、たんぱく質を体内に入る前に分解してくれる働きもあります!
魚の西京焼き、生姜焼きやタンドリーチキンなど、あらかじめ漬け込むことで肉や魚が柔らかくなるのも分解酵素のおかげです♡
塩こうじやすりおろした玉ねぎ、ヨーグルトなどな代表的!
☆食器用洗剤の中でも「酵素の力でたんぱく質汚れをスッキリ!」みたいなうたい文句の製品にも、プロテアーゼは利用されています。
化粧品なんかにも入っていることも!
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プロテアーゼは、たんぱく質の消化吸収を助けて胃腸の負担を軽くし
消化不良や胃もたれ、胸やけなどを防いでくれます。
また、胃腸が弱いという人はたんぱく質不足の場合が多いですが、
肉や魚を食べると調子が悪くなる~💦という方も多く、悪循環に陥りがちです(´・ω・`)
そんな方は、麹漬けや味噌漬けのお肉にしてみたりと、事前にたんぱく質を分解して負担を減らすなど、工夫をしてみてくださいね!!
次回は、酵素の取り入れやすい食べ方をお伝えしますね!(´▽`)
ではまた( ˘ω˘)スヤァ
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